はじめに
前回の記事では、Meetup(ミートアップ)の国際交流イベントに参加し、現地で新しい友人ができた経験について紹介しました。
留学当初は英語も思うように話せず、友人もほとんどいない状態でした。しかし、勇気を出してイベントに参加したことで新しい出会いが生まれ、その後の留学生活をより充実したものにすることができました。
気が付けば、イギリスに来てから約9か月、大学院生活が始まってからも半年ほどが経過していました。
渡英直後は毎日のように新しい出来事があり、生活するだけで精一杯でした。しかし、この頃になると少しずつ状況も変わってきていました。
今回は、大学院生活の折り返し地点で感じていたことや、徐々に迫ってきた修士論文、そして卒業後の進路への不安について書いていきたいと思います。
生活には慣れてきたけれど
イギリスへ来たばかりの頃は、本当に毎日が大変でした。
銀行口座の開設、家探し、スーパーマーケットでの買い物、公共交通機関の利用など、日本では当たり前にできていたことにも苦労しました。
また、大学院の授業が始まってからは英語についていくことに必死で、毎日疲れ果てていました。
しかし、イギリスに来てから約9か月が経った頃には、日常生活で困ることはほとんどなくなっていました。
どこへ行けば何があるのかも分かりますし、買い物や各種手続きも問題なくできるようになっていました。
以前は聞き取れなかったイギリス英語にも少しずつ慣れ、大学院の授業も何とかこなせるようになっていました。
もちろん、英語力はまだまだ十分ではありません。
1対1であれば会話はできますが、3人以上でネイティブ同士が話し始めると内容についていけないことも多く、自分の考えを伝えようとしても言葉が出てこないことがよくありました。
それでも、渡英直後の何も分からなかった頃と比べると、確実に成長している実感はありました。
しかし、その一方で新たな感情も生まれていました。
慣れが生んだ新たな悩み
留学当初は、毎日が刺激の連続でした。
新しい街、新しい文化、新しい友人たち。
すべてが新鮮で、毎日が冒険のようでした。
しかし、半年ほど経つとその刺激にも少しずつ慣れてきます。
生活は安定し、困ることも少なくなりました。
もちろんそれは良いことなのですが、最初の頃のような高揚感や緊張感は徐々に薄れていきました。
日本で教員をしていた頃から、「慣れ」は良いことでもあり、怖いことでもあると感じていました。
人は環境に慣れると安心できます。
その一方で、挑戦する機会や成長の実感が少なくなってしまうこともあります。
そして私は、ふと考えるようになりました。
「このまま大学院生活が終わってしまうのだろうか」
せっかく大きな決断をしてイギリスまで来たのに、このまま時間だけが過ぎてしまうのではないか。
そんな漠然とした焦りを感じるようになっていました。
しかし、そんな私の前に新たな壁が現れます。
修士論文(Dissertation)です。
迫りくる修士論文
ある日、大学院の授業で修士論文についての説明が行われました。
イギリスの修士課程では、授業や課題だけでなく、最後に大きな研究プロジェクトとして修士論文(Dissertation)を完成させなければなりません。
自分で研究テーマを決め、先行研究を調べ、データを収集・分析し、一つの論文としてまとめていきます。
私はスポーツコーチングを専攻していましたので、サッカーに関する研究を行う予定でした。
説明を聞きながら、「大変そうだな」とは思っていました。
しかし、その後に提示された数字を見て思わず固まりました。
15,000ワード。
日本語ではなく、英語で15,000ワードです。
当時の私にとっては想像もできない量でした。
大学院のレポート課題ですら苦労していたのに、その何倍もの文章を書く必要があります。
参考文献を探し、論文を読み、データを分析し、英語で文章を書く。
本当にそんなことができるのだろうか。
正直なところ、不安しかありませんでした。
周りの学生たちも「大変だ」と話していましたが、私の場合はそれに加えて英語という大きな壁があります。
ネイティブの学生たちと同じ条件で論文を書かなければならない現実に、改めて自分が置かれている状況の厳しさを感じました。
卒業後はどうするのか
そして、もう一つ大きな悩みがありました。
卒業後の進路です。
大学院生活が始まった頃は、授業についていくことに必死で卒業後のことを考える余裕はありませんでした。
しかし、半年が経ち、大学院生活も折り返し地点を迎えると、嫌でも将来について考えるようになります。
私は当時、Tier4 Student Visa(学生ビザ)でイギリスに滞在していました。
このビザには、卒業後も一定期間イギリスに滞在できる制度がありました。
つまり、卒業したらすぐに帰国しなければならないわけではありませんでした。
しかし、問題もありました。
私は将来的にスポーツに関わる仕事をしたいと考えていましたが、当時のビザの条件ではスポーツコーチなどの仕事に就くことが認められていませんでした。
せっかくスポーツコーチングを学んでいるのに、その分野で働くことができない。
これは私にとって大きな悩みでした。
日本へ帰国するのか。
イギリスに残るのか。
教員へ戻るのか。
それとも全く別の仕事に挑戦するのか。
考えれば考えるほど答えは見つかりませんでした。
英語力も十分ではなく、現地で仕事を見つけられる保証もありません。
一方で、せっかく海外まで来たのだから、もう少しイギリスで挑戦してみたいという気持ちもありました。
最後に
留学生活も折り返し地点を迎え、生活面での苦労は少しずつ減っていました。
しかしその一方で、修士論文や卒業後の進路という新たな課題が目の前に現れていました。
留学は渡航することがゴールではありません。
新しい環境に慣れたと思った頃に、また新たな壁が現れます。
当時の私は、15,000ワードの修士論文を本当に完成させられるのか、そして卒業後にどのような道へ進むのか、不安でいっぱいでした。
それでも今振り返ると、この頃から少しずつ「目の前のことを一つずつ積み上げていくしかない」と考えるようになっていた気がします。
留学生活の後半は、そんな試行錯誤の連続でした。
次回は、そんな私が修士論文のテーマを決め、実際に研究を進めていく中で経験した苦労について書いていきたいと思います。
読者の皆様へ
私は「高校教員を辞めてイギリス大学院へ留学する、そして転職する」という、少し勇気のいる選択をしました。
もし今、
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・転職を考えている
・教員として今後のキャリアに悩んでいる
・海外での生活や働き方に興味がある
という方がいれば、ぜひお気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。
私自身、多くの方に支えられながら留学や転職という挑戦をしてきました。
このブログで紹介している経験が、皆さんの次の一歩のヒントになれば嬉しいです。
感想や質問だけでも大歓迎ですので、お気軽にメッセージをお送りください。
▼前回の記事はこちら
「初めてMeetupで国際交流イベントに参加」
https://motokyouin.com/uk-study-abroad-meetup-language-exchange/
▼次回の記事はこちら
「修士論文との戦い。テーマ決定とまさかの出来事」
https://motokyouin.com/uk-master-thesis-battle-theme-selection/


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